谷派糸東流拳法空手道姫路修交会

　午前中は、体力テストをおこない昼食の後、本来の強化合宿の始まりです。帯別に分かれて審査要項を行います。普段道場では一つの種目要項だけに時間を費やすことは出ませんが合宿では帯別に分かれて行うので、それぞれのクラス要項に時間をかけて行うことができます。その後、大会の形練習を行い最後に組手の練習を行います。
　こうして普段とは違った空間の中で行う稽古が門下生にとっていかに大切であるかと言う事を身をもって体験してくれたことと思います。

　1日目の稽古もようやくへ終了し、体育館の清掃を行い、表で写真を撮った後、宿舎「かもめ荘」の迎えのバスに乗り宿舎に向かいます。
　宿舎に向かうバスの中での子供たちは、先程迄の大変さを忘れたかのように和気あいあいと微笑ましい会話が弾んでいました。

　宿舎「かもめ荘」について、団体行動での規律厳守の重要性・一人の勝手な行動が全体に迷惑をかけるため、班全員の責任と成る事、等々の注意事項を話した後、入浴・食事と進められ、5年連続参加を達成した模範拳士表彰を行います。今年は3名の模範拳士の表彰を行いました。

　その後、子供達が楽しみにしているゲームタイムです。今年はゲームを始める前にミニ落語会を行いました。落語を演じてくれたのはＫＣＣ姫路支部の芦田亭圭翼君です。演目は有名な茗荷宿と言うお話ですが皆さんに理解していただくようにと解り易く現代風にアレンジし実に巧妙な節回しで皆さんを感動の渦に巻き込んでくれました。

　その後、担当指導員がチーム分けして風船ゲームや紐潜りゲーム・敷居渡りゲーム等でチーム対抗戦を行い大いに盛り上がり、上位チームは賞品をゲットし一時を楽しみました。

　1日目の予定が終了し、子供たちは歯磨きやトイレを済ませます。その間に、中学生以上の会員及び指導員は寝床の準備をします。子供たちは九時30分に床につき、高校生以上の会員及び指導員は子供達全員が寝静まるまで交代で見守ります。その間役員は、当日の反省並びに体力テストの記録用紙の集計、そして特に翌日の海水浴での危険度を再認識し注意点等について深夜まで会議を行い、ようやく1日目が終わるのは午前2時を過ぎます。熟睡するまもなく2日目の始まりです。

　朝5時の起床号令に、子供達はまだ覚めやらぬ眼でヨロヨロしながら洗顔・トイレ、道衣に着替え砂浜に出ます。昨日同様台風の影響は少しあるものの子供たちの願いが届いたのか雨の心配はなく浜辺の早朝五時は少し爽やかな朝の潮風を体感します、準備体操のあとおしゃべりウォーク・マラソンと進められます。
　無事マラソンを終え、砂浜での早朝稽古です。例年通り基本の後、下半身の強化を求め砂浜での駆けこみ等・鍛錬を主体に行いました。子供たちは元気でしたが指導員や役員は昨夜のミーテイングでの寝不足が祟りばてていました。終了後写真撮影し、ようやく朝食です。

　朝食の後は、待ちに待った海水浴タイムです子供達の頑張りが通じたのか日差しが現れ、大喜びで水着に着替え浜に出で、子供たちの要望で和田指導員恒例の面白準備体操のあと駆け込んでいきました。水際で貝やカニと戯れるグループ・浅瀬で魚を追う子供達・浮き輪で騒ぐグループ・ロケットジャンブ等々、楽しい一時はあっと言う間です。

　海の時間を満喫した後、宿舎に戻り、昨日今日と過ごした2日間を振り返り思いを原稿用紙に認めます。ようやく全員が書き終わると、閉会に移ります。荷物をまとめ整列し、早朝マラソンの表彰を行い玉作本部長の終了宣言で、お迎えに来ていただいている保護者に引き渡し終了しました。

　子供達はこうして合宿に参加することにより非日常の生活を体験し、視野を広め、団体生活でのルールや協調性を身につけ、日頃家庭での我侭な振る舞いも寝食を共にすることにより我慢を余儀なくされ、自分をコントロールする力や先輩としての「自覚や責任」後輩を思いやる優しい心・等々多くを学習し確実に成長していきます。1泊2日では有りますが、充実したこの2日間で心身ともに鍛えられ、将来困難に遭遇した時、躊躇することなく対応出来るように成り、私達が掲げる青少年の健全育成・社会に貢献できる人格の形成につながるものと確信しております。私達指導者も毎回この合宿において子供達と様々な関わりの中で、日頃道場では見せることのないすばらしい一面を発見するなど、指導者にとっても子供達においても、素晴らしい研修の場となり、更に相互の信頼が深まり、より良い人間関係が育まれていくものと信じております。
　育成会をはじめ保護者の皆さんは、一回り成長したわが子に目を細められたことでしょう。私達指導者もこうした合宿で子供達から多くを学び、今後さらに修練を重ね、意義あるより良い研修の場と成るよう努力を重ねてまいりますので、温かく見守っていただきますよう宜しくお願い申し上げます。